寝台列車を乗り継いで〜サンライズ・はまなす・トワイライトエクスプレスの旅〜その5「本編」
10月1日(水)
0時過ぎに床に着き、ふと目が覚めた。この感覚ではまだ午前3時くらいか…と思っていると下段からラブライブの曲が流れてくる。もう5時なのであった。
その後もごろごろしていたが、長岡着5分くらい前にようやくベッドから這い出て、デジカメを手に、まだ暗いホームに降りた。


↑専用機に引かれて堂々とした編成美 ↑食堂車は朝の営業に備えた準備中


↑こうした表示が見られるのも来年の3月までか…
撮影しているのは数人の同業者のみで、さすがにツアーの方々はいなかった。
停車時間が長く、隣のホームまで行っても余裕があるのはありがたい。綺麗な編成写真を撮ることが出来た。
列車に戻り、部屋に入って朝食の6時半までごろごろする。寝ようかと思ったがあと1時間ほどなので結局起きていた。
そして時間になったので、4度目の食堂車へ。


↑前菜が並んでいる ↑コーヒーを選んだ

↑朝食メニュー


↑中華粥が出てきた ↑その粥に卵を投入


↑メインのプレート ↑デザート(画像提供:T君)
夜のコースに勝るとも劣らない、凝った品々に大満足の朝食だった。
食べ終えて部屋へ戻る頃には、列車は新潟県から富山県に入るところであった。有名な親不知の日本海を部屋から眺める。

↑高速道路が海側に貼り出ているのが残念。
親不知の区間を抜け、富山平野に入ると、進行方向左手に立山連峰が見えるという案内放送が流れた。部屋とは反対側なので、廊下に出てドア越しに眺めた。今日も天気は晴れである。
富山を8時ごろ出ると、高岡に止まり、石川県に入る。金沢には9時前に着いた。いよいよ西日本に入ってしまった…という思いが強くなる。

↑北陸ならではの車両ともすれ違う
トワイライトエクスプレスでは、乗務員有志が行うサービスもある。その一つが、乗車記念のスタンプというもので、ロビーカーに備え付けられ、これは各編成ごとにデザインが違うそうである。金沢を出ると、そろそろそのスタンプ周りも空いてきただろうと思ったのでロビーカーに出ていく。
確かに最初見た時のような行列は無かったが、その代わりにツアー連中がスタンプ台をテーブルに移動させ、和気あいあいと協力しながら何枚もスタンプを押していた。各人勝手に押すよりは人数分まとめた方が早いので、まあありがたいことなのかなぁ…と思いながらも、集団行動特有の勝手気ままさに少し呆れながら彼らが押し終わるのを待った。
ようやく終わり、スタンプが元の位置に戻ってきたので、専用の台紙を手に取り、薄くなったりずれたりしないように注意を払いながら押す。
スタンプは、トワイライトエクスプレスが停車する各駅をそれぞれの名所や特色で表したもので、停車駅の数だけ存在する。作るのは大変だったろうなぁ…と乗務員の苦労に思いを馳せる。


↑このように木製で、朱肉を付けて押すタイプ。 ↑各駅の解説。全部手彫りだと思うと本当に頭が下がる

←専用の台紙はこちら。スタンプもこれもセンスが光る。
ロビーカーにはテレビモニターがあったが、なにも流れていなかった。昨日も流れていなかったので、放映時間外なのかなぁ…と思いながらモニターに近づく。ためしに電源ボタンを入れると、トワイライトエクスプレス紹介動画が流れ始める。チャンネルを変えると、映画が流れたので、単にスイッチが入っていないだけだった。流れ始めたのを目ざとく見つけた同業者が写真を撮っていたので、良いことをした気分になった。


↑そんなモニターで流れていたスイートの紹介。乗ってみたかった… ↑我々のシングルツインもモニター越しだと別物に見えるw

↑こちらは食堂車。モニターがSHARPなのは大阪発着だから…?
そして、10時36分に敦賀に到着。ここでは機関車交換のため20分弱停車するので、ツアー客も入り乱れての大撮影大会となった。


↑人が多かったので反対側のホームに回ってみた ↑専用塗装機EF81


↑皆さん熱心に撮影。 ↑係員の誘導で…


↑付け替え完了!機関車と記念撮影多し ↑この表示も3月まで…
ところで、この列車のロイヤルには立派なゴスロリファッションに身を包んだ女性が、マネージャーのような女性と共に乗車しており、食堂車やホームで何度か遭遇した。この敦賀では、持ってきたと思しきテディベアを顔の横にかざし、かわいらしいポーズを作って同行者に撮影してもらっていた。すわ上坂すみれ…と思ったが違った(残念!)。しかしポージングしての撮影、同行者がロリータファッションではない普通の格好、母娘という感じでもない2人、ロイヤルに乗るというブルジョア感、等々、女優かモデルではないか…?と思い、乗車中や帰宅後にtwitterやネットを調べたが、一切情報がなかった。今もって、謎の人物である。
ちなみにT君は「どうやってロイヤル取ったのか聞いてみたいですねぇ」と述べていた。ぶれねぇな…。
敦賀を出ると、列車は湖西線を走る。もうアーバンネットワークなのでつらい。阪和線よろしく遅れてくれないかと願ったが、その想いもむなしく高規格の湖西線を順調に飛ばすのだった。

←琵琶湖きれい
京都に着くと、ツアー客が殆どここで降りたようで、ツインにも空きが出るようになった。空いているツインに入って、電動ベッドを動かして遊んだりする。


↑このツインすごいよぉ!さすがシングルツインのお兄さん!!↑


↑このボタンで ↑これが動く
なお京都を出たところで札幌行きのトワイライトとすれ違った。このすれ違いは同業者にとって周知の事実だったようでロビーカーで待機していた。

←新幹線の柱に重なるという悲劇
京都から大阪へは30分ほどで着いてしまう。ロビーカーもすれ違いが終わると人がいなくなったので、名残惜しみながら写真を撮った。


↑モニターの脇にスタンプがあった ↑雑誌も各種揃えてあります


↑ロビーカーのシャワー室入り口にある自販機 ↑シャワー室のドア


↑通路の照明ひとつとってもこだわりが感じられる ↑トイレも綺麗。これでシャワートイレだったら完璧だったのだが…
部屋に戻り、後ろ髪を引かれる思いで、荷物を詰め、降車準備をしていると新大阪に着く。淀川を渡ると、車窓がもう見慣れた梅田の街である。
12時53分、列車は定刻通り大阪駅に着いた。22時間、同じ列車に乗り続けたのは初めてであるが、長さを感じることは無かった。


↑列車名がきちんと表示されるのはうれしい ↑食堂車から食材が降ろされる
車庫に引き上げられるまでホームにいようと思い、写真を撮っていると、クルーたちが自分達の荷物を載せた荷車を押し、周囲の乗客にあいさつしつつ乗務員入り口に引き上げていった。ひと仕事終えた、という安堵感の漂う晴れやかな笑顔だったのが印象的である。
乗客より遅く寝て、乗客より早く起き、寝床はB寝台というきつい仕事であるにもかかわらず、これだけのサービスを振舞ってくれる彼らに感謝して、この旅行記を終えようと思う。


↑長旅お疲れ様でした。↑
おわり
戻る