君たちはどう生きるか(日本:2023)
スタジオジブリ・東宝
監督・脚本:宮崎駿
<キャスト>
山時聡真、菅田将暉、柴咲コウ、あいみょん、木村佳乃、木村拓哉、竹下景子、風吹ジュン、阿川佐和子、大竹しのぶ、國村隼、小林薫、火野正平、他
主題歌:米津玄師「地球儀」
<感想>
スタジオジブリの2023年最新作。
謎の鳥が描かれたポスター以外一切情報が伏せられた状態で公開日を迎え、ネタバレに触れてたまるかという心持ちになり、公開翌日に鑑賞。
地方都市のシネコンはIMAXもガラガラで、快適に見ることが出来た。
ちなみにパンフすら後日発売なので、この徹底した保秘ぶりを某府県警は見習ってほしいw
話は昭和12年からの数年間が舞台。戦闘機の風防を製造する軍需企業の社長の息子である牧眞人が、母を病院火災で亡くし、父と共に母の故郷へ疎開する。父は母の妹と再婚しており、母を守れなかったという思いを持つ眞人はそれになじめていない。
そんな彼の疎開先は古くから続く旧家であり、城のような屋敷に住んでいる。その屋敷の裏には謎の塔があり、先々代の当主が失踪した曰くがあるという。眞人少年はその謎の塔から来訪するアオサギと会話するようになり、次第に謎の塔を介して異空間に足を踏み入れていくが…
という正統派なSF作品であった。戦争批判を直接書かず、戦時中の特権階級を描くことでそれが批判になっているようななってないような…
鳥がリアルかつかなりキモいので、鳥嫌いな人は見ない方が良いかもしれない。眞人少年の成長譚であるが、話は単純ではなく隠喩を感じる部分もあり、なかなか奥深く楽しませてもらった。
眞人少年、弓を自作したり転校先で虐められた時に反撃したうえで大けがを装うなど、当初から聞き分けが良く逞しいので精神面のさらなる安定、という大人になる通過儀礼物語なのかもしれない。
謎の塔はいろいろな世界と繋がっている設定だが、シュタゲやサマータイムレンダなどの今日日流行の「世界線」が上手く取り入れられていたのが印象的である。
Twitter上では鳥のポスターでクソコラが作られたり「君たちはどうイキるか」などの大喜利で楽しんでいたが、「君たちはどうしてこんなことが出来るのか」という言葉と共にアオサギが焼かれている絵の呟きがあり、地味にこれが的中していたのが笑ったわね。
おわり
戻る