五島列島滞在記
2023年秋。勤労感謝の日と年休、土日を駆使し4連休を得た私は旅行に行くことを思い立つ。
伊豆旅行や宇都宮訪問で親交を深めつつある職場先輩K氏の提案により離島訪問を計画し、数度の折衝を経て長崎県は五島列島への訪問と相成った。
この先の人生で再度訪れることがあるかわからない離島の様子を記しておこうと思い、旅行記を執筆することにした。
令和5年11月23日(木・祝)
前日に大仕事を終えた職場の後輩女子を牛タンしゃぶしゃぶでもてなした翌日、昼過ぎの名鉄で中部空港を目指す。
4連休が1日の休暇で錬成できるとあって、この4連休は列島民族大移動と化していたため、福岡行きの便が夜しか取れず、このように遅い出立となったのだった。
乗継ミューチケットで神宮前を経由する。ミュースカイに乗ると太田川しか停まらないのでとても速い。
空港に着き、K氏リクエストで味仙で遅いランチ。アメリカンならなかなか美味しく食べれますね台湾ラーメンも。そして夜がフェリー想定なので入浴しておく。露天は無いが外気浴出来るスペースがある空の湯は悪くないが1000円以上するのでちょっと割高感がある。
ラウンジでこの旅の成功を祈りビールで乾杯。カードラウンジで生ビール飲み放題なのが中部空港の良いところだ。
時間がたっぷりあったので飛行機マニアに習って発着機をテラスから眺めるなどした。
日が暮れて真っ黒な機体で福岡へ。ほぼ満席だったらしい。夜景を眺めながらのフライトも乙なものである。写真はコーヒーのサービス。
機内のテレビ見るもの無さ過ぎて北九州市長が芸人と北九州のパン屋巡りする広報番組観てたけど意外に面白かったのよかったなw
定刻で20時には福岡空港に着き、地下鉄空港線で天神へ。五島行きの船は23時45分出航、22時40分までに乗船手続きを取ればいいため、屋台に繰り出し博多の夜を楽しむことにしたのだった。
といっても博多の屋台は時流から姿を少なくしており、福岡の先輩に聞いたエリアに向かうと人気店には行列が出来ている有様。
日銀の目の前まで来ると、屋台らしからぬ洋風の店があり、たまたま席が空いていたので目を付けたところ店主に「do you speak english?」と話しかけられる。K氏が流ちょうに「I can't speak english」と返す。訪日客に間違えられていたのだった。
誤解は解け、快く入店。入店というほどの店構えでもないがw 料理はどれも美味しく、隣席の米国人と多少会話し国際交流に気を良くしながらハイボールで出来上がっていった。
そして古き良き屋台も行きたいわね…ともう1軒屋台をはしごし、おでん(゚д゚)ウマーしたのちタクシーで博多港へ向かった。流しのタクシーがすぐ捕まるのが都会の良いところ。
野母商船の窓口で無事乗船手続きを行い、ファミマで軽く買い出ししていよいよ船内へ。夜行便は大学1年の伊豆大島以来、あれは座席夜行だったので今回のようにしっかりした夜行フェリーは初体験とあってワクワクする。
独特の雰囲気がある夜の船。甲板デッキを散策してたら寒すぎて鼻血出たw
今回は奮発しツインルームを取っていたが想像以上のきちんとした個室でテレビも付き外も見えるのは良かった。
声優ラジオを流し上田麗奈をK氏に布教するなどしていたら出航。湾を出るとすぐ揺れ始め、外洋を行くのだなぁ…と思ったが酔いに備え早々に就寝した。
就寝はしたがなんと寝られない!部屋は2階にあったのだが、その2階の窓まで水しぶきが来るほどで、揺れを意識して全集中の呼吸で酔わないように耐える辛い旅になってしまった。
そのうちに廊下の方からうめき声が聞こえてくる。揺れは収まらないし、これはもうだめかもわからんね…って死を覚悟するまであったわね
令和5年11月24日(金)
そうこうしているうちに3時間くらいは寝られたらしい。宇久や小値賀に寄港するアナウンスで都度目覚めては寝てを繰り返し、完全に目覚めたのは奈留島(7時25分)であった。
実は翌日訪問予定の奈留島港
昨夜の荒天が嘘のように落ち着いた五島列島近海
定刻で五島列島は福江港に着岸。この旅一番の難関を乗り切ったような気持ちである。
土産物店で鬼鯖寿司を朝食代わりに仕入れ、レンタカー屋の兄ちゃんの迎えで2日間の相棒となるスズキ・ジムニーの元に向かう。
ロッジ経営者がレンタカーも運営しており、せっかくならヤリスやマーチではない車に乗ろう、ということでジムニーを借りたのだった。
諸手続きを終え9時過ぎには最初の目的地、堂ケ崎教会へ向かう。片側一車線で意外と綺麗な県道を北に向かうと30分ほどで現地に着く。
教会巡りをスタートする前に、手前の手洗い付き駐車場で寒さに耐えながら鬼鯖寿司を朝食として食べた。美味しい、が寒い((((;゚‐゚))))
昨日まで暖かかったはずなのにな…どうして…
ユニクロのライトダウンくらいでは防げない寒さに、そういえばここは一応日本海寄りのロケーションだったな…と思う。
煉瓦が素敵な正統派教会。いやこの文脈で正統派って使うと誤解を招くな…
内部は隠れキリシタンの資料館となっており、撮影不可だが踏み絵やマリア観音(キリスト教の信仰を隠すため神棚に偽装したもの)などの実物があり弾圧を耐え抜いた信仰の篤さに思いをはせた。
そして続いては島を横断し、大瀬崎灯台まで向かう。
この先は東シナ海、という日本のある意味最西端の岬に灯台があるのであった。
駐車場から下りの登山道を歩いて30分というなかなかの難易度高い立地
荒涼とした風景が広がり、曇天も相まってクライマックス感がすごい。旅始まったばっかやけど…
このロケーションを生かしていろいろな映画やドラマの舞台になっているようで、映画「悪人」のロケ地にもなったとのこと。
ロー時代に同級生に勧められたが結局見ていない作品…帰宅後視聴したが当時は灯台の脇に建物があったようであった。
この下り登山道でやられた足腰に止めを刺すような急な上り坂を深津絵里は3往復もしたんやなぁ…って
登山道の途中から眺めると、本当にあそこまでたどり着けるか不安になる立地や…
行きで体力を使い果たした私は軽々と往復するK氏(5歳下)に追い付くことを諦め、今にも行き倒れそうな老僧のように、這うように登山道を駐車場まで戻ったのだった。
途中、30歳くらい年上の初老男性にガチ目に心配されたのショックだったわねw
乗り鉄しかしてこなかったクソ雑魚体力が分からせられてしまった…と悔やみつつなんとか車にたどり着き、体力回復のため昼食はウツボ料理の店へ。
揚げたてのウツボのから揚げ美味しい。廃校を利用しており、なるほど学校の教室感ありましたね。手前の車が今回の相棒。
ここで五島うどん初めて食べたけど、稲庭のような細麺にあご出汁の良く効いたスープがベストマッチで大変美味で、旅行中に3回くらい食べたわね。
食後は信徒が石を手で積んで作ったルルドで有名な井持浦教会へ。
危うく通り過ぎるくらい街に溶け込んでこじんまりした教会だった。ここに限らず、五島列島の教会は本当に生活に溶け込んでいる。
青空が映える煉瓦造りの外観。イエス様がwelcomeしてくれる「いらっしゃい」の像は面白い
ルルドは敷地の奥にあり、確かに手作り感がある。
つづく
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